先ず、産業計測の現状、現在の役割、近い将来に果たすべき役割についてのビジョンをお聞かせください。
今日、研究施設で使われていた技術の多くは製造工程に組み込まれており、これにより業界の競争力が高まりつつあります。 部品が完成後に故障を検出していたのでは、エラーのコストは非常に大きくなります。
計測学のリソース、方法、および計測プロセスの展開は、業界が今日の市場で要求される生産性、品質、効率のレベルに到達するための鍵です。 測定可能な物こそ、改善可能。計測とは、このコンセプトの実践と言えます。 産業計測により、製品と産業プロセスに関する正確な知識と情報入手が可能になり、さらに制御、改善、最適化可能となるのです。
生産プロセスにおける計測導入と、このプロセスでどのような改善や困難が考えられるでしょうか。
部品が完成してから故障を検出していたのでは、エラーのコストは非常に大きくなります。 しかし それ以前の段階で検証することにより、早めの決断を下し、生産コストを抑えることが可能です。 生産プロセスにおける計測装置の導入は欠くことの出来ない重要要素となるでしょう。計測システムを使用する企業は、インダストリー4.0に向かって少しずつ進化しています。 私たちは、工業生産プロセスや製品に関する情報収集、分析、統合する方法において、急激な変化の初期段階にあります。計測学は、デジタル工場にますます統合されたソリューションを提供出来なくてはなりません。
人間活動の全ての分野において、情報通信技術による変革は業界にとって不可欠です。 計測製品とソリューションは、相互に接続可能で、高度な情報処理能力を持ち、大量データを保存し処理する能力を備えていなければなりません。 この方程式の重要な鍵は、いかなる機器も他社の機器やシステムと相互運用できるよう、デジタル要素と交換フォーマットを標準化することです。
この意味で、産業進化への貢献はInnovalia Groupの利点の1つであり、企業のニーズに最も適した計量技術に発展するためのものです。
今日の測定プロセスで処理される大量のデータに関して、どうお考えでしょうか。
測定プロセスは徐々に変化しており、デジタル機器による作業と管理が、生産プロセス全体を容易にし、改善することがさらに明らかになっています。 デジタル機器のファイルを参考にし、不具合を精査し、生産結果を現実的な方法で比較することが出来ます。ワークをデジタル化し、測定・分析し、生産プロセスにフィードバックできる計測プロセス4.0は、特定のデータ管理能力を備えたソフトウェアが必要です。 これらと将来を踏まえて、当社の計測ソフトウエアM3は、大量のデータを分析し、IoTセンサーで作業し、様々なセンサー・機器からデータをインポートすることができます。
光学センサーは、他のセンサーにとってかわるのでしょうか。それとも、測定の特性に応じて、接触型センサーと共存していくのでしょうか。
Innovalia Metrologyは、Datapixel社を通して、18年間、自動車部品および航空機部品の製造における品質管理のためのOptiscan(光学センサー)およびソリューションを設計、製造、販売してきました。 Datapixel社の光学センサーを使用すれば、車体の一部である金属スタンピング部品、炭素繊維部品または航空機の翼、エンジンの機械加工部品、エンジンのタービンブレードまたは技術的プラスチック部品など、様々なワークの寸法と3次元でのデータ収集・制御が出来ます。それは国際的にも受け入れられ、製造関連企業がミクロン精度で寸法検査を行うことを可能にするスキャナーです。 接触タイプを通じてデータを取得し続けるであろう企業は数多く存在しますが、現実的には、当社の場合、Optiscanはより包括的にデータ収集を提供し、時間もかなり短縮できます。 生産を改善するには、光学センサーにより大きな可能性があるでしょう。 私たちが長年にわたり賭けてきたものであり、今まさに業界がそれを認識しつつあるのです。
Innovalia Metrologyは計測機器を開発しています。それらの精度と計測トレーサビリティについて教えてください。 認定校正機関はありますか。
Innovalia MetrologyグループであるUnimetrik社は認定校正研究所で、価格面のみならず、全測定プロセスにおける測定機器の状態やトレーサビリティを保証するという点で、かなり競争力の高い機器を市場に投入しています。 Unimetrikには、全ての顧客をサポートしているMETRINETツールがあり、機器、ツール、マスターパターンの検証を追跡出来ます。
Innovaliaグループは、第4次産業革命への進展と、それが及ぼす今後のビジネス戦略への影響についてどうお考えですか。
Industry 4.0がまだ話題にもされていなかった頃、Innovaliaグループはすでにその哲学を構成する促進技術に賭ける必要性を評価していました。どの産業革命も、道具と計測方法の開発を必要としてきました。 インダストリー1.0では、経験主義と技術的現実の視点から、製品とプロセスの客観的データを得るため、機械計測器の使用を拡大しました。 インダストリー 2.0では、量産などの高度な製造プロセスの導入が行われました。 生産性を高めるために、より洗練された計測技術が開発され、高性能な製造プロセスを可能にしました。 インダストリー3.0においては「自動化革命」であり、センサー、エレクトロニクス、メカニック、プログラム可能なロジックを組み合わせた自動化要素としてCMM(3次元測定機) のコンセプトが登場しました。最後に、インダストリー 4.0は、デジタル技術によって、製造業界のデジタル化と仮想化への飛躍を提供します。OptiScanとM3ソフトウエアを組み合わせれば実現可能です。これらの技術を他のデジタルシステムと統合することで、プロセスのデジタル化につながります。 インダストリー4.0は一つのアイデアです。既存のプロセスや製品に導入されなければならない概念です。 当然Innovaliaでは、すでにその実現に貢献出来るよう、日々努力しています。